
信濃川・日本海を背景に緑豊かな自然環境に建設された信濃川浄水場
安全な水の安定供給のために
■生物活性炭による高度浄水処理
生物活性炭処理の導入により,異臭味やトリハロメタン低減化を行い,より安全でよりおいしい水道水を市民に供給しています。また,信濃川浄水場で高度浄水処理をした水をペットボトルに詰めた,ボトルド・ウォーター"新潟のおいしい水道水 柳都物語"を製造し,災害備蓄および新潟水道のPRのために活用しています。
生物活性炭処理(豆知識) 生物活性炭処理とは,活性炭により河川水に含まれる化学物質を吸着処理する機能だけでなく,活性炭槽内に増殖した微生物の生物分解作用により,各種の有害物質除去が行えるシステムです。 | |
![]() 生物活性炭吸着池(写真奥) 信濃川水系で初となる高度浄水処理システム |
![]() 新潟のおいしい水道水 柳都物語 |
![]() 高架配水塔 |
■高架配水搭による安定給水
高所にある配水池から位置エネルギーを利用して配水する自然流下方式は,ポンプ加圧式に比べ,複雑な制御関連機器を必要とせず,運転管理などの維持管理が容易で,災害や事故での停電時にも安定した給水が可能な優れたシステムです。また,建設費,維持管理費,運転費などのライフサイクルコストの縮減が図れます。
信濃川浄水場は新潟平野のほぼ中心部に位置することから,水道施設としては類のない大型の配水塔(高さ53m,直径26m,容量6,300m3)を建設することにより自然流下による安定給水を可能としました。
環境にやさしい浄水場
■省エネルギー設計
施設計画では,マシンレスの思想に基づき,できるだけ中間ポンプや汚泥掻き寄せ機などの機械・計装設備類を必要としないことに加え,浄水処理すべてを自然流下で行えるように配水池までの各施設の水理レベルを決定しました。■クリーンエネルギーの導入
信濃川浄水場では,沈澱池における夏場の藻類発生防止のため,遮光を目的として覆蓋を設置しました。また,この覆蓋上部に太陽光パネルを設置することにより,自然エネルギーの活用による環境負荷低減が可能となりました(出力100kw)。
排水処理では,環境負荷が少なくエネルギー効率の良い「自然乾燥処理」方式による天日乾燥床処理を導入しました。
![]() 沈澱池の覆蓋としての太陽光発電システム |
![]() 川の水に含まれる「にごり成分」乾燥後の天日乾燥床 |
災害に強い浄水場
![]() 応急給水機材倉庫 |
■防災機能の強化
浄水場構内の地盤高を想定浸水位以上である標高1.5mまで盛土(1mの盛土)を行うことで,万一信濃川の堤防が破堤した場合にも,施設を浸水から守ることができます。また,地震などの災害が起こった時の応急給水に利用するキャンバス水槽や仮設給水栓などの機材を,浄水場構内の応急給水機材倉庫に保管しています。
さらに,東日本大震災では信濃川浄水場が,遠方から高速道路を利用した災害応援隊の拠点となるなど,地理的条件を生かし,災害時に応急給水や応急復旧の拠点基地としての役割を担っています
市民に親しまれる浄水場を目指して
![]() ハサ木を利用した学校田収穫米の天日干し |
■見学コースのバリアフリー化
信濃川浄水場は,新潟市における基幹浄水場であるとともに,新潟市の水道を積極的にPRする広告塔の役割を担っています。施設見学に訪れる人々が安心して見学できるようバリアフリーに配慮した見学コースの設営や,水道施設をわかり易く解説するパネルや展示物を配置するほか,管理館にはプロジェクターを備えた多目的ホールを設けています。■地域特産樹木の植栽
緑豊かな自然環境に建設された信濃川浄水場には,新潟の田園風景になじみの深い稲を干す「ハサ木」をシンボルツリーとして植栽しており,これに地域の小学生が学校田で収穫した稲を天日干しする「ハサ掛け」の場として提供するなど,地域との繋がりを大切にして市民に親しまれる浄水場を目指しています。基本データ